会計のお話 減価償却費の自己金融効果
経理以外の人のための 日本一やさしくて使える会計の本 (ディスカヴァー携書)
- 作者: 久保憂希也
- 出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン
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カラー版 会計のことが面白いほどわかる本<会計の基本の基本編>
- 作者: 天野敦之
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- 発売日: 2012/09/25
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この時期になると、来期の年間予算に日々の1/6位の時間を費やします。
あーでもない、こーでもないと自分の考える営業に即した予算を
通す為には様々な角度からのアタックが必要。(本部に対して)
まぁ、喧嘩するよね?だって、『営業』と『経理』では溝あるでしょ?
無い知恵を絞りながら、少しのテクニックで『おぉ。』と
思わせられるのが、これなんですよ。
■どうやって?
普通は
・商品を売る
・借金や増資
位しか、お金を手に入れる方法は無いですよね?
でも、減価償却費の自己金融効果は『内部金融』とも言われる位
お金を生み出す事が出来るんです。
例)
(借方) 『資産』機械100万円
(貸方) 『資産』現金100万円
→利益 0
→現金△100万円
上記の仕訳では、利益は発生してませんが現金は100万円減少。
利益の減少と一緒に現金も減少するのが普通ですが
ここでは利益は減少しないのに現金が減少する事による
『ズレ』が生じてしまいます。
この状態を仮に【自己金融マイナス100万円】とします。
現金残高△100万-利益0=自己金融△100万
機械購入した年の期末に、減価償却費が発生すると
(借方) 『費用』減価償却費20万
(貸方) 『資産』機械20万円
→利益 △20万円
→現金 0
となります。上記の仕訳だと利益は20万減少するけど
現金は減少していません。
利益の減少と一緒に現金も減少するのが普通ですが
ここでは李家駅は減少しているのに現金が減少していない事による
『ズレ』が生じています。
この状態を仮に【自己金融+20万】とします。
現金残高0-利益△20万円=自己金融+20万円
つまり『自己金融効果』とは・・・
利益の減少と現金の減少のズレから生じる現象。
建物や機械などの『固定資産』を購入した場合、
買った年は自己金融効果がマイナスになるけど、
次の年以降は自己金融効果がプラスに転じるんです。
例)設備である空調を1,000万で購入、5年後に除却する場合。
買った時 自己金融:△1,000万 機械(空調)の価値:1,000万
1年目期末 自己金融:+200万 減価償却費:-200万
2年目期末 自己金融:+200万 減価償却費:-200万
3年目期末 自己金融:+200万 減価償却費:-200万
4年目期末 自己金融:+200万 減価償却費:-200万
5年目期末 自己金融:+200万 減価償却費:-200万
5年間の全体で見た時はプラスマイナス0。
自己金融とは利益の減少と現金の減少のズレなので
ある年の自己金融効果が+200万という事は見た目の利益よりも
実際に現金は200万増えているという事なんです。
現金の増減は別名『キャッシュフロー』
現金の増減を表す『キャッシュフロー計算書』も、
足すことで現金増加額を表示しています。
資産になるものでなければ、成り立ちませんが
上記した空調設備やホールコンピューター・玉を流す
ジェットカウンターなんかも『資産』に計上されます。
ですが、これもいつまでも減価償却費として計上出来る訳では
無いんです。
減価償却資産には「耐用年数」と呼ばれるものがあります。
耐用年数とは通常の維持補修を加える場合にその減価償却資産の本来の
用途用法により通常予定される効果をあげることができる年数、
すなわち通常の効用持続年数のこと指すんです。
例に挙げた空調設備なら約6年。
ホールコンピューターなら5年。
ジェットカウンターなら10年が耐用年数。
資産になるものなら、翌年以降のキャッシュフローで
展開を変えられる予算作成が出来るんで、営業力が
落ち込んでも、利益が残せる体制にもって行きやすいんですね。
今日もこれから、バトってきます(涙